彼は家族を次々と亡くしました。
母親と二人きりになってしまったんだよ……と
最初の頃のメールに書いてありました。
親戚は各地にいるみたいですが
近い身内はお母さんだけみたいです。
持病を持っているお母さんの為に
彼は週に何日か実家へと帰ります。
近い将来、実家の近くにアパートを借りて
引っ越す事になるかもしれない、と話してくれました。
同居はしたくないそうです。
……
数日前、近所の一人暮らしの男性が急逝しました。
回覧で訃報連絡がきましたし、
新聞の訃報欄にも載っていました。
喪主は彼の弟さんになっていました。
あ、この人には見送ってもらえる身内がいたんだ……と思いました。
彼が……こうなった時は……と、ふと考えました。
……
彼は……
「先の事は全く考えてないわけではないんだけど
いつかは僕は独りぼっちになる。
そうなったら犬か猫を飼おうと思っているんだ」
この時、彼が動物好きという事を知りました。
(多分イヌ好き)
「その時は私が傍にいてあげるね」と言おうとしたけど
付き合ってまだ数ヶ月だったし
何となく重い意味を含んでしまいそうだったので
口には出しませんでした。
というより、出せませんでした。
いずれやってくる「彼が独りぼっちになってしまうその時」
彼の支えになれればいいな~……と思った時でした。
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