ガマンしている、と彼に伝えました。
彼は「ゴメンね。そんなにガマンしていたんだ」と言いました。
確かにもう1か月半ご無沙汰です。
「今はそういう気持ちにならないんだよ。なんか自信がなくなってきたっていうのか」
「いろいろな事が重なって今すごく大変だよね。そっちまで意識がいかないのは
分かるよ。でも、それは仕方がないと思っている。私もまだ我慢できるから、大丈夫だよ。
またしたくなったら、すればいいんだから」
「そういえばさ、久しぶりにケガをしたんだ」
彼が右手の人差し指を私に見せました。
絆創膏が貼ってあります。
「ケガしたんだ。包丁で??」
「違うよ。時計が壊れたからあれこれいじっていたら、指を怪我したんだ。
絆創膏を探してあれこれガサガサしていたら、スゴイものを見つけたんだ」
「何を見つけたの?」
「海外から買った薬。バイアグラだよ。しかも4錠のうち2錠なかったんだ」
「えっ!!いつ買ったの?っていうより、それ飲んだの?ってことは相手がいたって事じゃん」
「海外製のやつでジェネリックだと思うんだ。もう覚えていないし
ここに入っていたことすら忘れていたんだ」
「いつ使ったの?飲まなくちゃいけないぐらいの状況だったの?」
「多分、奥さんと……かな。仲直りしたくて……というより
前みたいに仲良くなりたくて久しぶりに奥さんに『しよう』って言ったのに
僕のが役立たずじゃあ、奥さんはショックを受けるでしょ?
だから、飲んだ……と思うんだ。効き目は……覚えていない」
「10年以上の前の薬だから、今飲んでも大丈夫なのかどうか分からないんだ。
最近不安になってきているから」
「ちょっと怖くない?」
「かなり怖い(笑)」
その時彼はまだ40歳になっていなかったはずです。
どんな気持ちで飲んだんだろう。
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